見ず知らずの人

オンラインゲームを始めて間もない人にアイテムや金を無償提供したり、傷を負っているとすぐに手当てをしたり、そんな光景を見て「お前ら現実世界じゃ他人が道端で倒れてても見向きもしないくせにゲーム内だとすげー優しいんだな」と毒を吐いていた人がいたけど、これは現実世界とゲームの行動コストの違いが如実にあらわれていると思う。


現実世界で血まみれとまでいかなくても、転んで怪我した他人にいきなり包帯巻いたりする人はまずいない。知人であれば多少の言葉をかけてみたり、絆創膏を偶然持っていればあげたりする程度だろう。足長おじさんよろしく万札を差し出して、これで怪我を治せよと言ったりはしない。ゲームなら声をかけるのもちょっとタイプするだけで、嫌になればその場から簡単に消えることだってできる。


ところがゲーム内であれば、死人を復活させたりするのもコストが安かったりする。ゲームによっては包帯をまくだけで生き返ったりするし、中盤まで進めば10000Goldくらい捨ててもいいくらいにインフレ状態になったり。現実世界で1万円を拾うコストがそこまで低下するようなビルゲイツ級の人はほとんどいない。


レベルアップすることが難しい現実世界の厳しさが、世の中のギスギスに繋がっているんだと思う。