とにかく凶悪犯として報道したかった

市橋達也君に告ぐ (本山直樹 Website)
http://sites.google.com/site/naokimotoyama/ichihashi
を読んで、そうか、と思った。

逮捕から一夜明けて朝のニュースをぼーっと眺めていたが、どうもしっくりこない報道だった。

死体遺棄の容疑で逮捕されたことは事実で、殺人であれば大変な事件ではある、が。

「彼はがんばってまじめに働いていた」という内容にすかさず「彼は逃亡資金を貯めていたんですよっ!!!」と突っ込むところが今のテレビ業界の体質をよくあらわしているなと思った。

そして両親の記者会見(?)に対しては、「冷静に言葉を選んで話している」とは言わず、「まるで他人事のようだ」とか、「家族としての関係が冷め切っている」という風に言い現代社会の問題であるように言う。

さらにその態度についても、「こういうときは申し訳ございませんでしたと丁寧に謝るべき」というニュアンスで報じ、家族に対しても疑問を投げかける。

彼らの予定としてはとにかく凶悪犯として報道したかったのだろう。

家族が涙ながらに謝り、そして泣き崩れるシーンを報道したかったのだろう。

残念ながらそのようなシーンは撮影できなかった。そのことに対する苛立ちだろうか。